事業再構築補助金の第12回以降の公募については、ご指摘を踏まえた見直しを行った上で公募を再開する予定と公式情報より公開されています。
今回は外部有識者より指摘された内容についてをまとめた記事となっています。
結果として事業再構築補助金については、中小企業等事業再構築促進基金の政策目標の達成に向けて、適切に実施される予定です。
▼ご案内資料ダウンロードはこちら (2024年6月4日更新)
2024年4月時点の状況:
更新:2024年4月23日、中小企業庁のウェブサイトにて「第12回公募事業再構築補助金」の募集開始のお知らせが更新されました。
公募情報は4月23日18:00に公開されましたが、申請スケジュールは調整中となっており、今後詳細が更新される見込みです。
更新:2024年4月24日 事業再構築補助金第12回のパンフレットが公開されました。
本記事は随時更新していきますので定期的にご確認いただき申請にお役立てください。
事業再構築補助金に関するお問い合わせはこちらからお願いいたします。
事業計画書の見直し無償で実施いたします。
第12回事業再構築補助金について最新情報をこちらの記事で解説しております。
そもそも事業再構築補助金って?制度の概要についてはこちら↓
事業再構築補助金の外部有識者による意見
さて、やや問題視されている事業再構築補助金ですが第12回以降の公募がやっとスタートしました。
事業再構築補助金に関しては、昨年令和5年11月12日(日)に内閣官房行政改革推進本部事務局が実施した「令和5年度秋の年次公開検証(「秋のレビュー」)」において以下の論点で指摘されていました。
多年度の財源確保の必要性について
「本制度は中小企業が1回のみの活用が可能であり、各年度ごとに必要な予算を設定するだけで充分だ。よって特別な基金を設立する必要はないのではないか。」
使途の適正化について
「このプログラムは、コロナ後の経済社会の変化に対応し、中小企業の事業再構築を支援して日本経済の構造転換を促すことを目的としている。しかし、多くの事業者が同じようなプロジェクト(例えば「フルーツサンド販売店の展開」)で採択されている現状は、この趣旨に沿っていない。また、「シミュレーションゴルフ」や「セルフエステ」のようなプロジェクトが多数採択されているが、これらの実態や効果についての詳細な検証が不十分ではないか。」
根幹業務の外注と執行体制の見直しについて
「計画の企画や審査などの根幹業務を民間企業に外注することは問題ではないか。また、現在の執行体制を考慮すると、基金の規模やプロジェクトの採択・審査件数が過大になっている可能性がある。」
内容としては外部有識者の方々から上記の論点で強めに批判されていたように感じます。
第12回の公募は再開されましたが、確かに公募要領を確認すると審査は厳しくなっていると思います。
ただ、事業再構築補助金に関してはこれまでの公募回でも交付申請の審査は非常に厳しくなっている傾向があり、どの公募回でも採択された事業者様は細かい審査に対していかに対応できるかという点が重要になってきています。
採択されてもその後の対応が進まない事業者様が多いこともあり、今回は応募時点で審査が厳しくなっている印象です。
「令和5年度秋の年次公開検証(「秋のレビュー」)」は以下のリンクよりご確認できます。
秋のレビュー 2日目(令和5年11月12日開催)>(コロナ関連)中小企業等事業再構築促進基金(経済産業省)よりご確認いただけます。
筆者の考え
事業として「フルーツサンド、シミュレーションゴルフ、セルフエステ」が多数採択されていることに関して、同じプロジェクトであれば他事業でも多く採択されていると思っています。
また、暗にこれらの事業は日本経済の構造転換を促さないと言われたような感じでまじめに事業に取り組まれている方々がかわいそうだと感じますね。
おそらく、事業々ではなく、組織的な申請を指摘しているニュアンスも感じますが、これらの事業を名指しで公開したことにより、事業者が不利にならないように配慮してほしいものです。
業務を民間企業に外注していることに関しては下に記載していますのでご確認ください。
事務局の体制
基金より、株式会社パソナが事務局として業務を委託し、専門業務に対して再委託先としてさらに1次委託、2次委託と多重下請け構造になっている。
この構造を見て、筆者は事務局が再委託先からの指摘を採択事業者へ伝えるような役割で肝心の専門的な業務の中身は把握していないのでは?と感じました。
実際に採択後に続く交付申請も半年以上待たされた挙句、事務局側の二転三転する発言に採択事業者も振り回されていると聞きます。
全ての責任がある事務局にあるとは思いませんが、事務局側の内部体制が良くなると健全な制度になると感じています。
第12回事業再構築補助金の概要
2023年11月、行政事業レビューの指摘を受けて5カ月間にわたり停止していた事業再構築補助金がようやく公募されます。
行政事業レビューでは、以下の内容が指摘されました。
新型コロナ対策としての役割は終わりつつあるため、基金のうちそれにかかる部分は廃止し、もしくは抜本的に事業を構築し直すべき。
申請書・財務諸表の精査、四半期ごとのモニタリングなどの仕組みが確立されない限り、新規採択は一旦停止すべきであり、それができない場合は基金として継続する必要は認められないため、国庫返納して通常の予算措置とすべき。
審査の厳格化とデータの収集の厳格化については、引き続き十分な検討が必要である。
以上の指摘に基づいて、12回公募が開始されたため、「申請書・財務諸表の精査、四半期ごとのモニタリングなどの仕組み」は確立されたと言えます。またその他の指摘においても概ね解決しており、その内容を以下にまとめます。
以上より、申請される事業者にとっては厳しくなることは確かです。
ただし、対策と考え方次第では採択を狙うことができる補助金なので、以下をお読みいただき申請のご参考にしていただければと思っています。
第12回事業再構築補助金の変更点
前回の行政事業レビューで厳しい指摘を受け、第12回の公募から制度が大幅に変更されます。この変更は制度そのものに根本的な改革が加えられているため、変更点を充分に理解して申請に臨みましょう。
制度上の変更点
支援枠を簡素な形に見直し、6つの枠から3つの枠に削減します。※1
新型コロナ対策として実施していた特例的措置である事前着手制度は原則的に廃止されます。※2
すべての申請枠において、コロナ債務を抱える事業者に加点措置を講じ、支援を重点化します。※3
※1:支援枠は以下の3つに限定されています
①成長分野進出枠類型:(通常類型)、(GX進出類型)
②コロナ回復加速化枠類型:(通常類型)、(最低賃金類型)
③サプライチェーン強靱化枠
※2:以下の条件に合致すれば事前着手制度が認められます。
<事前着手制度が認められる場合>
①第10回、第11回公募において、物価高騰対策・回復再生応援枠又は最低賃金枠の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募において、コロナ回復加速化枠(通常類型)又はコロナ回復加速化枠(最低賃金類型)に申請する場合
②第10回公募において、サプライチェーン強靱化枠の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募において、サプライチェーン強靱化枠に申請する場合
※3:「コロナ債務を抱える事業者に加点措置」に関する変更は喜ばしいものです。特に、コロナ禍における融資の返済猶予が迫る事業者にとっては、事業を立て直す良い機会となることを期待しています。
申請枠の種類と補助上限額
[成長分野進出枠(通常類型)]
ポストコロナに対応した、成長分野への大胆な事業再構築にこれから取り組む事業者や、国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者が取り組む事業再構築を支援。
中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数20人以下】100万円~1,500万円(2,000万円)
【従業員数21~50人】100万円~3,000万円(4,000万円)
【従業員数51~100人】100万円~4,000万円(5,000万円)
【従業員数101人以上】100万円~6,000万円(7,000万円)
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合
[成長分野進出枠(GX進出類型)]
ポストコロナに対応した、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野の課題の 解決に資する取組をこれから行う事業者の事業再構築を支援。
中小企業者等
【従業員数20人以下】100万円~3,000万円(4,000万円)
【従業員数21~50人】100万円~5,000万円(6,000万円)
【従業員数51~100人】100万円~7,000万円(8,000万円)
【従業員数101人以上】100万円~8,000万円(1億円) 中堅企業等 100万円~1億円(1.5億円)
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合
[コロナ回復加速化枠(通常類型)]
今なおコロナの影響を受け、コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事 業者や、事業再生に取り組む事業者の事業再構築を支援。
中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員5人以下】100万円~1,000万円
【従業員6~20人】100万円~1,500万円
【従業員21~50人】100万円~2,000万円
【従業員 51 人以上】100 万円~3,000 万円
[コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)]
コロナ禍が終息した今、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者の事業再構築を支援。
中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】100万円~500万円
【従業員数6~20人】100万円~1,000万円
【従業員数21人以上】100万円~1,500万円
また、条件によって上乗せ措置も設けられています。
[卒業促進上乗せ措置] 各事業類型の補助金額上限に準じる
[中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置] 100万円~3,000万円
[サプライチェーン強靱化枠]
国内サプライチェーン及び地域産業の活性化に取り組む事業者(製造業)への支援。
補助金額
中小企業者等、中堅企業等ともに 1,000万円~5億円
補助率
[成長分野進出枠(通常類型)]
中小企業者等 1/2(2/3)
中堅企業等 1/3(1/2)
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合
[成長分野進出枠(GX進出類型)]
中小企業者等 1/2(2/3)
中堅企業等 1/3(1/2)
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合
[コロナ回復加速化枠(通常類型)]
中小企業者等 2/3
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場 合は800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは3/4)
中堅企業等 1/2
(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場 合は800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは2/3)
[コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)]
中小企業者等 3/4(2/3)
中堅企業等 2/3(1/2)
※()内はコロナで抱えた債務の借り換えを行っていない者の場合
[卒業促進上乗せ措置]
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3
[中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置]
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3
[サプライチェーン強靱化枠]
中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3
事務局審査の改善・体制強化について
重複申請の排除強化AIを活用し、類似の計画書の使い回しを防止するための重複チェックが強化されます。閾値の見直しや対象範囲の拡大により、同一計画書の使いまわしを効果的に検知します。
一時的な過剰投資への対応特定のトピックで短期間に申請が集中した場合、一時的な流行によって過剰投資が誘発される恐れがあるため、システムでこれを検知し、より厳格な審査が行われます。また、新規分野への進出については、公募ごとに事業の新規性を再検証します。
交付審査・実績審査のAI化と高度化採択後の交付審査と実績審査においても、AIの導入などによりシステムが刷新され、審査プロセスの標準化と高度化が図られます。
こうした取り組みを通じて、全体として審査がこれまで以上に厳格化される見込みです。
これらの変更は、第11回までの事例を踏まえ、適正な審査と公平性の確保を目的としていますが、結果として申請者への要求水準が高まり、採択へのハードルが上がることになります。
そのため、申請を検討する事業者は、単に補助金獲得だけでなく、主体的な事業運営とその後の成長・存続を重視することが何より重要になってきます。
外部に全て任せきりでは不十分で、自社の主体性が問われます。実際当社の統計では主体性のある事業者は採択率が高い傾向があります。
EBPM 証拠に基づく政策立案の強化
四半期ごとの事業化段階報告の義務化事業化の段階で設定した短期アウトカムについて、四半期ごとに報告を義務付けます。
他補助金データの活用による効果検証他の補助金の申請データを活用し、不採択者のその後の売上や営業利益などのデータと比較するなどして、本補助金の効果を検証します。
共通デジタルデータ化による分析精度向上これまで事業者ごとに様式が異なっていた提出情報を、共通のデジタルデータで収集することで、分析がしやすくなります(例:賃借対照表や全体損益など)。
補助事業の効果分析と公表補助事業の効果について分析・検証を行い、その結果を公表します。
EBPMの取り組みは、すでに積極的に協力する事業者に対して補助金の加点要素となっていましたが、今後はさらに強化され、協力が必須となる可能性があります。
ただし、ペナルティはなく、内部情報を開示したくない場合は例外とされています。
<用語説明>
EBPMとは・・・
政策決定において科学的根拠やデータを重視し、客観的な効果検証を行うことで、最適な政策選択を目指すアプローチです。
本補助金でも、投資した税金が適切に活用されているかを検証し、無駄を防ぐことが目的とされています。
つまり、事業者のデータを一部把握し、補助金の効果を客観的に把握するための取り組みとなります。
事業再構築補助金の過去の結果一覧
事業再構築補助金は、難易度が高い補助金として知られています。
過去の結果を見ると、第1回公募から第11回公募までの平均採択率は44.4%と、一般的な補助金に比べて低くなっています。
特に、審査が厳格化された第11回公募では、採択率は過去最低水準の26.4%まで低下しました。
しかし、採択率が下がった要因は、審査の厳密化だけではありませんので本質的な部分を抑えれば、採択率アップは十分に可能です。
資料請求・お問い合わせ
いかがでしたでしょうか。
正直いうとかなり厳しくなった印象はあります。申請される事業者様も支援する事業者様も共に審査の厳密化、ルールの変更は十分に把握された上で申請をされることを推奨しています。
補助金を受給するには主体性が重要なポイントなので補助金に積極的に関与してください。
膨大な数から類似点を見つけることはAIが担当していますが、計画書一つ一つを審査をしているのは人間なので、事業者様の想いや熱意は案外伝わるものです。
この部分をご理解いただけているのであれば採択を狙うことはできるラインの補助金だと当社は考えています。
内容が大きく変わりましたが、補助額は他の制度と比較しても高いので是非積極的にご活用をご検討ください。
また、当社でもご支援を受け付けております。
当社では全国一斉募集される補助金以外にもこのような自治体の補助金にも対応しております。
全国の補助金の実績も事業再構築補助金、ものづくり補助金等といった大型補助金を年間170件以上支援を継続していますので十分対応が可能です。
一度挑戦してみたい、詳しく聞きたいという事業者様は以下よりお問い合わせください。
無料相談はこちらから
AMS自動車整備補助金助成金振興社では
補助金申請できるかどうかのご相談から受け付けております。
設備投資を検討されている事業者様はぜひお問い合わせください!
【補助金のご相談、無料で対応しています】
お問い合わせは、下記「フォーム」か「右下のチャット」から
「LINE 問い合わせ」も対応しています!
監修元記事